芦屋釜の歴史

南北朝時代頃(14世紀半ば頃)から
筑前国芦屋津金屋で造られた
茶の湯釜「芦屋釜」。
その形や文様の美しさから
室町時代の京の公家・武家・僧侶などの
貴人に好まれました。
しかし、「侘び」の茶の湯に移っていくにつれ
道具の好みも変わり、
京の三条釜座においても
盛んに釜が造られるようになったことで
遠方の芦屋まで釜を求める必要がなくなり
江戸時代初期頃、製作は途絶えますが
現代の茶席においても

主役を務める存在であり、
大変重宝されています。

茶の湯釜 霰地若松 風炉添え

芦屋釜の特徴

美しい形と文様、
そして厚さ2mmの軽さにあります。
また、素材には、非常にさびにくい
「和銑(わずく)」を用いています。
和銑とは、日本古来のたたら製鉄でできた鉄で、
砂鉄を原料としています。
美しさと実用性を兼ね備えた茶の湯釜、
それが「芦屋釜」です。

芦屋釜の厚み